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2026.03.18 Wed UP
第26回応用薬理シンポジウムにおいて本学学生および大学院生が優秀発表賞(口頭発表、ポスター発表)を受賞
掲載:2025年10月2日
更新:2026年3月18日
第26回応用薬理シンポジウムにおいて本学大学院生が優秀発表賞(口頭発表、ポスター発表)を受賞しました。
<優秀発表賞(口頭発表)>
- 受賞者
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- 薬学研究科 薬科学専攻 修士課程2年 嶋田 奈央
- 指導教員
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薬学部 生命創薬科学科 講師 秋田 智后
薬学部 生命創薬科学科 嘱託教授 山下 親正 - 受賞題目
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- 経鼻投与された糖鎖修飾GLP-1 誘導体は神経細胞を乗り継いで神経変性を抑制し学習記憶障害を改善させる
- 内容
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第26回応用薬理シンポジウムにおいて、GSK-3βを抑制することでアミロイドβ(Aβ)とタウの両方に効果を示すGLP-1について、神経細胞を乗り継いで中枢を移行できる糖鎖修飾Nose-to-Brainシステム「糖鎖修飾GLP-1誘導体」の有用性を報告した。
経鼻投与された本誘導体は呼吸上皮の三叉神経を介して作用部位の海馬・大脳皮質に移行し、Aβとタウ誘発性神経変性モデルマウスに対する神経変性抑制効果を有すること、および短期記憶障害に対する最低薬効量を明らかにした。
研究内容や質疑応答の的確性など、優秀な発表を行ったため優秀発表賞に選出された。 - 受賞日
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- 2025年9月14日
- 受賞者
- :
- 薬学部 薬学科 5年 市原 沙倖
- 指導教員
- :
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薬学部 薬学科 教授 吉澤 一巳
薬学部 薬学科 助教 笠井 智香 - 受賞題目
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- C26 担がんモデルマウスの疲労様行動に対するニコチンアミドの影響
- 内容
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【目的】がん関連疲労は、がん患者の生活の質(QOL)を著しく低下させる症状の一つであり、その発症には代謝異常を含む複雑な機構が関与するものと考えられる。そこで本研究では、疲労様行動を示す担がんモデルマウスの血漿を用いたメタボローム解析により、がん関連疲労の病態解明および治療標的の探索を試みた。
【方法】BALB/c 雄性マウスの尾静脈にマウス由来大腸癌細胞株 C26を投与して、担が んモデルマウスを作製した。疲労様行動は、トレッドミル試験により評価した。また、担がんモデルマウスの血漿を採取してメタボローム解析を実施した。
【結果】作製した担がんモデルマウスは、トレッドミル走行時間と距離の有意な低下が認められ、易疲労性が確認された。メタボローム解析では、血漿中のピルビン酸、乳酸、およびクエン酸回路中間体(クエン酸、イソクエン酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸)が上昇していた一方で、ATP 濃度は低下していた。そこで、酸化的リン酸化に関与するニコチンアミドを 0.1% 含有する飼料を摂取させたところ、担がんモデルマウスの易疲労性は改善した。
【考察】担がんモデルマウスの易疲労性には、酸化的リン酸化による ATP 産生能の低下が一因と考えられた。また、酸化的リン酸化に関与する補酵素ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドの前駆体であるニコチンアミドは、 がん関連疲労の治療に有用である可能性が示唆された。 - 受賞日
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- 2025年9月14日
- 受賞者
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- 薬学部 薬学科 5年 三澤 由実
- 指導教員
- :
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薬学部 薬学科 教授 吉澤 一巳
薬学部 薬学科 助教 笠井 智香 - 受賞題目
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- C26 担がんモデルマウスを用いた疲労関連行動の評価
- 内容
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【目的】がん緩和医療では、痛みのみならず疲労や不安など様々な症状の緩和が求められており、これらに対する包括的なアプローチが必要である。我々はこれまでに、マウス由来大腸癌細胞株(C26)を尾静脈内に投与して作製した肺転移モデルマウスが顕著な易疲労性を示すことを報告してきた。そこで本研究では、C26 細胞を腹腔内に投与した腸間膜転移モデルを作製し、播種部位の違いが疲労関連行動に及ぼす影響について比較検討した。
【方法】BALB/c 雄性マウスを用い、C26 を尾静脈内または腹腔内に投与し、肺転移モデルマウスと腸間膜転移モデルマウスをそれぞれ作製した。疲労関連行動の評価にはトレッドミル試験およびオープンフィールド試験を用いた。
【結果】本研究で作製した腸間膜転移モデルマウスは、肺転移モデルと同様に易疲労性が認められた。また、血糖値の低下、血中乳酸値の上昇、肝グリコーゲン量の減少といった生化学的指標も同様に確認された。さらに、オー プンフィールド試験では、自発運動量および中央区画での滞在時間が低下しており、易疲労性に加えて不安様行動の増加も認められた。
【考察】C26 担がんモデルマウスでは、がん細胞の播種部位にかかわらず易疲労性が認められた。また、がん細胞による過剰な栄養消費が疲労の一因である可能性が示唆された。さらに、本モデルはがん関連疲労と不安様行動の両方を呈することから、疲労と不安の関連性を評価する上で有用なツールとなることが期待される。 - 受賞日
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- 2025年9月14日
<優秀発表賞(ポスター発表)>
- 受賞者
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- 薬学研究科 薬科学専攻 修士課程1年 髙橋 寿斗
- 指導教員
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薬学部 生命創薬科学科 講師 秋田 智后
薬学部 生命創薬科学科 嘱託教授 山下 親正 - 受賞題目
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- 革新的なアルツハイマー病治療薬として臨床応用を可能とする糖鎖修飾GLP-1誘導体の点鼻液剤の開発
- 内容
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アルツハイマー病の革新的治療薬の開発を目指し、Aβとタウの両方に効果を示すGLP-1に効率的な中枢移行を可能とする糖鎖修飾Nose-to-Brainシステムを適応した糖鎖修飾GLP-1誘導体の点鼻液剤化に関して報告した。
本誘導体のAβとタウ誘発性神経変性モデルマウスに対する最低薬効量と臨床推定濃度を明らかにし、開発した点鼻液剤は、少なくとも4週間後まで高い安定性を維持し、臨床で汎用される点鼻デバイスで標的部位の呼吸上皮に広く分布することを報告した。
研究内容や質疑応答の的確性など、優秀な発表を行ったため優秀発表賞に選出された。 - 受賞日
- :
- 2025年9月14日
関連リンク
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