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2026.04.15 Wed UP
日本防菌防黴学会 第52回年次大会において本学大学院生がポスター奨励賞を受賞
日本防菌防黴学会 第52回年次大会において本学大学院生がポスター奨励賞を受賞しました。
- 受賞者
- 創域理工学研究科 生命生物科学専攻 修士課程2年 掛谷 憩奈
- 指導教員
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教養教育研究院 野田キャンパス教養部 教授 鈴木 智順
- 受賞題目
- 光触媒と循環型汚水浄化装置内微生物を用いたマウス排泄物の堆肥化への検討
- 内容
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宇宙環境においては人間の排泄物を有効に利用できておらず、そのため、微生物変換による資源循環のアプローチが必要となっている。また、閉鎖空間における排泄物利用において、病原性微生物による健康被害が懸念される。そこで本研究では、排泄物を農業利用可能な資源として活用するため、微生物処理および光触媒処理を組み合わせた堆肥化技術の開発を目的としている。
本研究では、当研究室で運用しているラボスケール循環型汚水浄化装置(以下、浄化装置)の好気槽内微生物による硝化反応と、光触媒による酸化反応で併用処理し、マウス排泄物に含まれるアンモニア態窒素が硝酸態窒素に変換されることで、農業利用可能な液体肥料への変換方法を検討した。また、光触媒の殺菌作用にも注目した。
ビーカーに滅菌水とオートクレーブ済みのマウス排泄物を加え、スターラーで撹拌した。そこに浄化装置から採取した微生物懸濁液を添加し、14日間、24 時間ごとにサンプリングを行った。光触媒処理では、二酸化チタンP25を添加し、UVA 強度0.25 mW/cm2で照射した。
微生物処理および光触媒処理を施したサンプルについて、アンモニア態窒素、亜硝酸態窒素、硝酸態窒素の定量を行った結果、微生物処理と光触媒処理を同時に実施した条件が最も高い変換効率を示すことが明らかとなった。さらに、光触媒処理した条件では過剰な泡立ちが抑制されており、液体肥料としての有用性が示唆された。
次に、光触媒処理による微生物の動態を光学顕微鏡観察および人工汚水培地によるコロニー形成で評価した。その結果、1日間光触媒処理を行った条件では多くの菌体が活発に運動していたが、3日間処理を行うとほとんどの菌体が運動能を失い、ごく一部の菌体が6日後まで確認できた。7日間処理を行うと菌体は見られなくなった。さらに、コロニーの形成の有無を確認したところ、7日間処理以降の培地ではコロニーの形成は認められなかった。
本研究で得られた結果から、硝化菌や光触媒反応がアンモニアを硝酸に変換すること、光触媒反応が処理水中の微生物を殺菌することが示された。つまり、排泄物から安全な液肥への変換システムとしての有効性が示唆された。 - 受賞日
- 2026年1月9日
*所属・学年は研究当時のものです。
関連リンク
日本防菌防黴学会 第52回年次大会|一般社団法人日本マイクロバイオームコンソーシアム JMBC
日本防菌防黴学会
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