研究と「未来創造」の最前線を担う
理科大の姿をデザインに表現 研究と「未来創造」の最前線を担う理科大の姿をデザインに表現

01 理科大での研究の日々が
クリエイターとしての基盤に
私は本学の理学部第一部化学科を卒業後、同大学大学院理学研究科化学専攻に進学しました。その後、クリエイティブの道を志し、2010年に独立してSano Minami Design Office(SMDO)を立ち上げました。現在は、約20名のデザインチームとして活動し、幅広い領域を手がけています。このたびご縁をいただき、東京理科大学創立150周年記念事業のロゴマーク考案を含む、アートディレクションに参画させていただきました。創立150周年の節目に、記念事業のアートディレクションやデザインに携わることができることは、一卒業生としてとても光栄で、非常にやりがいを感じる仕事です。
学生時代は、研究室に所属し、無機化学の研究を行っていました。比較・検証・分析を数え切れないほど行う、まさに「忍耐」の日々です。忙しい日々でしたが、学業だけでなく、独学で写真を学んだり、美術部で活動したり、家庭教師や飲食店などいくつものアルバイトをしたり、様々な経験を積みました。「なんでも挑戦して、吸収しよう」と積極的に行動したあの日々は、クリエイターとして長年努力を続ける際の、体力や精神力の基盤をつくってくれたと感じています。

また、理科大での経験は、ロジカルシンキングで分析と検証を徹底的に行う、私のクリエイターとしての強みやオリジナリティを培ってくれました。デザインの提案の際には、多数の案を比較検証したうえで、「なぜこのデザインになるのか」と理論を含めてクライアントにプレゼンします。この方法の基盤になっているのが理科大での研究で何度も繰り返した、「仮説・検証・分析・結論」のプロセスなのです。
02 理科大のあり方そのものが「未来創造」
多彩な知能が未来に向かう様子をロゴに表現
理科大では常に、答えのまだない新しい研究が進められています。私の在学中も、「今ここで“未来”をつくっているんだ」と、ワクワクするような気持ちで研究を進めていました。「未来創造」という言葉は、まさに理科大のあり方そのものを表現していると感じます。
今回の150周年記念事業のロゴも、「今から5年後の2031年時点でも“未来”を感じることができるような、理科大らしい挑戦的なロゴにしてほしい」という依頼を受け、制作したものです。未来的な映像展開や立体表現にも耐えうるビジュアルである必要があると考えたため、ロゴマークでは珍しい、三次元的な要素を取り入れました。クリスタルが空間に伸びていく様子は、理科大に多彩な知能が集い、そして未来に向かって広がっていく。そんなイメージを表現しています。

たくさんのアイデアを比較検討するなかで、「もっと挑戦的で、もっと未来を感じるものに」というフィードバックが印象に残っています。そのようなやり取りの中で作り上げた経験は、私にとっても刺激的で、有意義なものになりました。150周年事業のロゴやWebサイトを通して、未来創造のワクワクを体感すると共に、さらに理科大を身近に感じていただけたらうれしいです。
03 「理科大卒」の誇りと
ここで培った力は社会に出てから武器になる
私が在学していた当時から、理科大は「入るより出る方が大変な大学」と言われていました。卒業後、社会に出て仕事をしていくなかで「理科大卒」の社会的評価の高さを実感することは多々あります。理系デザイナーならではの検証力や解説力に評価をいただくことも多く、「理科大卒」の経歴がクライアントの安心材料になったと感じる場面もあります。
私は、理科大の大学院に進学してからクリエイティブ業界に分野転向した珍しい経歴をもっていますが、理科大で得た知識や経験、人との出会いは、一切無駄になっていません。理科大で培われる忍耐力、論理的思考力、分析力、プレゼンテーション力は、最終的にどんな道に進むとしても、必ず武器になります。一見遠回りに見えるかもしれませんが、進路をひとつに絞らず、自分の適性について検証を重ねたことは、結果的に私にとって最善の道でした。
みなさんにも、学生時代の貴重な学びと経験の機会を大切にしてほしいですね。自分の人生は、自分で切り拓くものです。自分らしい「未来創造」をしていってください。

